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 前回に引き続き、印刷物と携帯コンテンツを繋げる「QRコード」以外の新しい技術について述べていきたいと思います。





  ポストQRコード技術は、「電子透かし」「特徴量抽出」「カラーZIP」「FPコード」の4つに大別することができます。そのいずれにも共通しているのが、携帯に装備されているデジタルカメラで印刷物の画像やマーク等を撮影し、その結果をインターネットを介してサーバーシステムで処理し携帯コンテンツに接続するという点です。
 太田 稔(おおた・みのる)
京都大学卒。株式会社コギト代表取締役。ITコンサルタント。IT技術にいち早く注目し、ITを誰でも分かりやすく、使いやすくを提唱・実践。現在IT事業アドバイザーの第一人者として活躍。『"Face to Face"をおぎなうヒューマンツールとしてのIT化』『個人商店が今日から取り組む情報化とネットビジネス』等、講演会多数開催。


QRコードが埋め込まれたコード(URL)を読み取るとダイレクトにそのURLで示された携帯コンテンツに連結されるのに対して、ポストQRコード技術は、一旦サーバーを経由してから携帯コンテンツに接続されます。このようにサーバーシステムを経由する種類のものを、「ゲートウェイ(GW)型」といいます。これに対してQRコードの方は「ダイレクト型」と言われます。
 これは、QRコードが繋げたいコンテンツのURLを直接コード自体に埋め込むのに対して、ポストQRコード群はいずれも、直接URLを埋め込むのではなく、あらかじめ埋め込まれた独自のコードを伝送し、その送られたコードを解析してサーバー上で接続したいコンテンツのURLと関連づける方法をとっているためです。あらかじめコードを埋め込むことを「暗号化」といい、そのコードを読み取ることを「復号化」と言います。



 ポストQRコードの4種類の技術/サービスのそれぞれを区別する最大のポイントは、「何を暗号化するのか」ということと、携帯のカメラとアプリ(読み取りソフト)で「何を伝送しどのように読み取る(複合化する)のか?」という点です。
 簡単に言えば、「電子透かし」は何らかのコードを画像に埋め込み、その埋め込まれた画像ごと伝送するのに対して、「FPコード」は画像にコードを埋め込むのは「電子透かし」と同じですが、コードだけを読み取って伝送するところに違いがあります。また、「特徴量抽出」は画像の特徴的な諸点をあらかじめ抽出しておいて埋め込み、その埋め込まれた特徴点情報を伝送します。「カラーZIP」は赤や緑などのブロックを用い、その大きさと位置の組み合わせでコード化したものを読み取って伝送するというものです。
 それぞれに得て不得手があり、一概に優劣を決めることはできませんが、より多くの人々が気軽に使えるサービスに結実するのはどれかという点で見る限りは、「電子透かし」技術を応用したサービスの普及が難しくなってきている一方、「FPコード」が最も普及しやすくなってきたと言うことができそうです。



 「電子透かし」技術とは、画像の中に人には判らないコードを埋め込むことで、画像の真贋を判定するために開発された技術です。この技術を用いて携帯コンテンツに繋げようというわけですが、この特性のため、携帯カメラで撮影した画像データ自体を伝送してサーバー上にあらかじめ登録してある「ほんものの画像」と照合する必要があります。この照合の過程で画像としての同一性とその画像に埋め込まれたデータ分の差異を検出するわけです。
 ところが、携帯カメラで撮影された画像データは、同じ画像を撮影しても、その撮影条件によってデータ的には全く異なる画像となってしまいます。このため、サーバー上で照合する際になかなか同一画像を読んでアクセスしようとしていると判断されにくい結果となりがちです。結果どうなるかといいますと、画像を撮影してコンテンツに繋げようとしても拒否されて何回もやり直しを強いられるという事態が発生してしまいます。この間携帯ユーザーはパケット通信費を払いながらデータ伝送を繰り返すことになります。しかも「電子透かし」では伝送するのは画像そのものですから、パケット通信量も半端ではありません。サーバー側の処理も大きな画像データを取り扱わなければならないので必然的に大規模なシステム構成にならざるを得ません。
 さらに、埋め込むことができるコード量は少なく、しかも偽造防止技術という特性上、コード埋め込み作業は難しい工程を必要とし、誰もが簡単にコード埋め込み(暗号化=エンコード)ができないという制約があります。



これらの制約をうまく解決し、最近実用化され始めているのが「FPコード」です。別名「印刷型ステガノグラフィー」とも言われます。その原理をかいつまんで説明すると、画像を細かくメッシュに分け、人の目に最も判りにくい黄版に着目して、その隣り合うメッシュの濃淡差を独自のアルゴリズムでコード化(=暗号化)し、それをアプリで読み取る(=復号化する)という仕組みだと言うことができます。
 「電子透かし」との違いは、伝送するのがコード(10進数で12桁の数字)のみであること、埋め込むコード量が圧倒的に大きいということ、コード埋め込みが非常に簡単であること、サーバーでの画像照合を必要としないため読み取り精度が高いこと等です。
 昨年の11月に清水寺で販売開始された「電子おみくじ」付きカード型お守りにも応用されており、ご覧になった方もおられるのではないかと思います。
 さて、次回はまだ紹介できていない「特徴量抽出」と「カラーZIP」について説明させていただきながら、「FPコード」を含めたそれぞれの応用例、導入コスト比較などに触れていきたいと思います。引き続きご期待ください。


 

 
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