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サクセスリポート  

■ 洋菓子店 パティスリー・ピエロ
一号店 〒629-0141京都府船井郡八木町大字八木小字上野31-1-302
    TEL 0771-42-4374
二号店 〒615-0883京都府京都市右京区西京極南大入町86番地1
    TEL.075-321-9277 FAX.075-326-7336

ホテル勤務で鍛え上げた実力を元に独立。決してもうけ主義でない中川氏の人柄に 今も多くの人材が集まる。
 
 
 元々大阪のホテルに勤務し、デザートを担当。そこでケーキづくりの基礎的な技術を習得した。修業時代は、「よくお客さんの意見を聞くため、自らワゴンを押してデザートをテーブルに運ぶことも多かったです。『何を聞かれても答える』という気合いがありました。」
 そうした中川氏の仕事に対するまじめな取り組みが評価され、上司やスタッフにも恵まれ、後輩の指導にも力を入れるようになる。
 
 『30歳までには何かしてやろう。』という気持ちでいた中川氏は、29歳で独立を決意。実家が八木町であったことからこの地に店舗を構えた。 「このあたりにはケーキ屋がないことから集客が見込めるという想いもありました。」
店舗名である『ピエロ』は、言いやすく、すぐ憶えてもらえるだろうということと、また、ケーキなどのデザートは、料理の最後に出される料理の裏方、いわば引き立て役である。華やかな部分を引き立てるピエロになるという意味も込められている。
 
 この店の一番人気はやっぱり定番のショートケーキである。その人気の理由はこだわったスポンジにあり、スポンジだけ買っていくお客さんもいるほどだ。その味はまろやかで口当たりがいい。朝一番にスポンジを焼き、昼頃ちょうどいい状態のものをお客さんに出す。”その日のものをその日の内に”をモットーとしており、お客さんの注文を受けてから焼き出すことも多い。
 中川氏のつくるスポンジは、特別な素材を使っているわけではなく、すべてごく一般的なもの。そのおいしさの理由は、まず、生地をこねてさわった感触。オーブンの温度も決して機械まかせではなく、自らの手を入れて確かめる。これら一つ一つの工程が、熟練の技術によるものだからである。今では、その技術を学びたいと地方からも集まってくる人も多いという。
 
 中川氏の指導の仕方は『決して怒らない』ことである。 「意見が言いやすい環境をつくることで、やる気もでるし、発想も豊かになる。それに、教える自分自身が逆に吸収できることも多いですから。」
 3年前、京都市内にある西京極球場の近くに2店舗目をオープンさせた。 「これまでも店舗拡大の話は出ていましたが、店を安心して任せられる人間が育ってからと考えていました。店を出したはいいが、商品の状態が不安になるようでは、元も子もないですからね。」 と、決してもうけ主義でない、中川氏の考え方が窺える。
 
 「今後については、新たに店舗を出すより、今は地元のお客さんを大事にし、人材育成にも力を入れていきたい。」
 最終的には地元のお客さんとのコミュニケーションが一番大事だという中川氏。店舗内には、ピエロの名前の通り、ピエロ人形がたくさん並んでいる。これらはすべてお客さんからいただいたものばかりだという。常にお客さんの意見に耳を傾け、取り入れる姿勢をとっているため、これまでクレームが来たことはないという。
 ピエロでは、今後新入社員の採用も検討している。人材に重点を置き、お客さんを第一にする中川氏の考え方、それ自体がサクセスのポイントともいえるだろう。

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