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サクセスリポート  

■ 有限会社 山国さきがけセンター
〒601-0231 京都市右京区京北塔町宮ノ前32番地
TEL (0771)53-0572 FAX (0771)53-0582

京北の地元ブランドを開発するべく、
設立された山国さきがけセンター。農協時代の経験をかわれ、代表に就任した高林氏が行った経営改善術を聞く。
 
有限会社山国さきがけセンターは京都市内の北西部に位置する右京区京北地区(本年4月の合併・編入による)にある。
3年前に設立された同社は、地元産の大豆を使った「納豆もち」の生産・販売をしており、最近多数のメディアから取り上げられ、注目を集めている。
 
有限会社山国さきがけセンターが設立されたのは、農協の合併により残された建物跡地を有効利用し、地元のブランド商品を開発しようという『村おこし』の動きから始まったものだ。当時、自治会は商品開発に連日会議を重ねた。
その後、農協時代からの経験があり、商品知識が一番豊富で、常に会議の中心的役割を担ってきた高林氏が開発を引継ぎ、同社の代表に就任した。
 
 商品に納豆もちを選んだのは、この地域の人々が昔から納豆もちを郷土食として親しんできたという歴史的背景があるからだ。それは、京北の絵巻物に納豆が描かれているということからもよく分かる。
郷土食としては有名だった納豆もちだったが、それを現在のように商品化するまでには、いくつかの問題があった。最も大きな問題はカビへの対策である。
高林社長は、
「防腐剤を使用すればカビが防げ、保存期間を延ばすことができる。しかし、それでは安心して食べてもらえる商品にはならない。」
という考えから、防腐剤を使わず、いかに安全でおいしい商品を開発するかが第一の課題となった。そこで、地元産の天然素材のみを使った開発が進められ、様々な方法を試した結果、脱酸素剤を同封することで60日間の保存に成功した。
 
 六ケ営農組合で販売していたときから長い年月を経て無事商品化に成功し、味には絶対的な自信があったものの、運営面では厳しいものがあった。
開業してからの3年間は工場の設備投資と、売上げの採算が合わず、なかなか収益は上がらなかった。
そこで、様々な商品構成の改善を行った。まずは値段設定である。1000円で2袋買えるなど消費者が買いやすい値段へ変更し、また、現在の個装の再検討を行い、買う人の年齢に合わせた商品展開を心がけた。そして、農家から原材料となる大豆を直接仕入れることで経費削減も行った。
そうした様々な経営努力により、設立4年目にして、ようやく収益があがるようになったのだ。
 
 納豆もちは地元をはじめ、日吉町、美山町、京都市内などのスーパーに卸し好評を得ている。
「納豆もちは冬から春にかけてのシーズン商品です。今後は経営の安定を図るためにも季節にとらわれない商品を新たに開発していきたい。」という高林社長。
配達には代表自らが足を運び、今どのような商品が求められているのか現場の声を聞き、商品開発へ反映させている。現在は、味噌クッキーや大豆を使った炊き込み御飯の素など、地元産の素材を使ったとてもユニークな商品を開発中である。
今後も、京北の澄んだ空気のもとでつくられた素材で、作り手の思いのこもった商品開発に力を注いでいってもらいたい。
最後に経営者の方々へのメッセージとして、
「私用でも、どこかへ出かければ必ず商品の売り込みをしています。日頃の地道な努力が実を結ぶのだと思います。」と語ってくれた。

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