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サクセスリポート  
株式会社 いととめ 廣野社長、田村店長
 
第3回 これからの街づくりを支える新産業

数年前までは、接客について周囲から批判の声が相次いでいたといういととめ。苦しい経営状態から這い上がり、成功をつかめたのはなぜなのか、その理由を廣野社長と田村店長のお二人に聞いてみた。「うちは社員の立ち話は禁じません。接客は必要最低限度しか求めないんです。」必要以上の接客は一切しないというその理由を、お客の来る来ないは接客の善し悪しに必ずしも依存しないからだと言う。「挨拶が良いからお客さんが来るわけじゃない、お客さんは商品を求めてくるんです。」株式会社いととめが経営するFINE FOOD ITOTOMEは、食料品を扱うスーパーである。京都府の大宮町にあるこの店には、一時間以上かけておとづれる常連さんも少なくない。客が一軒のスーパーに一時間以上かけて来るのはなぜなのか。
商品選びから始まったいととめの店づくり  
先代が経営していた一般的な食料品スーパーの社員だった廣野氏が社長に就任した時から、新しい店鋪づくりは始まった。当初から独特だったスタイルは、周囲から『商品が高い』、『そんなスタイルでやっていけるはずがない』など様々な批判を受け、経営的にも苦しい状態が続いたという。
そんな毎日からの脱却が始まったのは開店から二、三年経った頃。考え方をあえて変えず、以前よりもさらに商品を特化させていった結果、徐々に商品の良さを理解してくれたお客さんがいととめに足を運び出した。
客に迎合せず、良い商品を重視  
確かに大型の店鋪では店員の一人一人がスペシャリストなわけではなく、専門的な事に弱い。またサービスもある程度マニュアル化されている。しかし、Bulldogのような対面販売のお店では、ハンドル一つにしても、ひとりひとりに合ったものを選んでくれ、客が望んだ以上のことをしてくれる。例えば、この店では希望したお客さんには自転車に自分のネームをカッティングシートでつけてくれるサービスがある。子供さんには特に喜ばれるという。買い手側からすると、より自分の自転車である意識が強くなる。御主人の上田さんは、 「今、ここにいるお客さんを満足させる、という気持ちだけじゃだめなんです。この人に次のお客さんを連れてきてもらうという気持ちでやっています。そうすると、自然とお客さんの満足度を高めることになりますからね。」 という上田さんのお店には、かなりの遠方からもお客さんが来店する。遠方から来て下さったお客さまには、買ってもらった自転車を上田さん自身が無料で配達をしている。 「わざわざこの店で買いたいと思って遠くからきてくれるのだから、こちらもその気持ちに応えたい、それだけです。」 その自然な気遣いがクチコミで広がるのであろう。
店鋪拡大よりも現状を充実  
上田さんは、今後の抱負を次のように語ってくれた。 「これからは、年間限定300台という制限を設け、少数だが儲かる商売をしていきたいですね。数を増やすとどうしても納得できる商品ができにくくなる、自分が一番満足できるものを作りたいんです。」 今後はアートフラワー共々、益々充実した店になっていくであろう。

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