一歩改革が進んだと感じた同氏は次に、社内を営業、技術、管理などにグループ分けし、それぞれに役割と目標を持たせた。「意識の改善策のひとつが、役割を持たせることです。」と同氏は言う。一人ひとりの役割を明確にすることで、会社の一員としての意識を根付かせ、その役割を果たすことで生まれる気持ちの変化を知ってほしかったのだ。「最初は重いと思った責任も、達成したときこれまで感じたことのない嬉しさがこみあげる。その達成感を得るために人は努力を重ねます。売り上げにしろ、コミュニケーション力の向上にせよ、目標を持つことで頑張れる。そして私達にできることは、社員たちがどんな風に頑張っているかをきちんと見続けることです。」社員の仕事に対して芽生えた責任感は、自然と取引先への積極的なアドバイス等に繋がり、現場においてもゴミの分別への細かな指示や、浄化槽の維持管理においては、個別にカルテを作成するなど他社にないサービスを提供できるようになった。そして、それは取引先からの厚い信頼となる。組織の完成には20年を要したが、この改革が花開き、今では関西一円に取引先が拡大し業績も順調に伸びている。