オフィスの一角からスタートしたISP事業は、最初から順調だったわけではなかった。たった一人で月20人程のペースでユーザーを増やし、4年かかってやっと1000人に達した。ここまで来てようやくアルバイトを雇えるようになったのだが儲かるまでには至っていなかった。いっそ止めてしまおうかと思ったこともあったが「やっぱり自分にはこれしか出来ないと思い直した」。そして自身が提供できることは何かを考え抜き、突き詰めたところに道が開けた。プログラムを趣味に、また仕事としていた同氏は、自分のような技術者が欲しいサービスを追求することで競合にはない独自性を生み出した。独自のアプリケーション提供や特殊なツールへの対応などを他社に先駆けて取り入れたのだ。
そして代表取締役に就任した翌年の2002年、社名をカゴヤ・ガス設備からカゴヤ・ジャパンに改称、ガス事業を止めインターネット関連事業のみの事業展開をスタートさせた。独自サービスが技術者を中心に受け入れられたこともありレンタルサーバー、ホスティング、Webアプリケーションの受託開発など、ユーザーのニーズに応えながら、豊富なサービスメニューとコストパフォーマンスの高さを武器に次々に事業を拡大していった。