ビジネストレンド京都
サイト検索
         
 
サクセスリポート  
株式会社 ミツワ製作所 原田社長
 
第4回 経営判断迫られる企業、その時経営者は・・・

現在、大手ポンプメーカーのOEMを中心に事業展開している株式会社 ミツワ製作所。 その中でも、現在主力となっている下水道などの水を汲み上げ浄化することができる汚泥脱水機は、画期的な商品である。原田社長の溢れるアイデアの源はどこにあるのかを探る。
「納品してお客さんに喜んでいただいた瞬間が最高にうれしいですね。」原田社長の表情には、真面目にコツコツ歩んできた実直さが素直に表れていた。 現在、株式会社ミツワ製作所は、大手ポンプメーカーのOEM供給の他にも、鋳物関係、リサイクル事業など幅広い活躍をしている。ここまで軌道にのせるにはどんな苦労があったのか、原田社長と、取締役でありまた自身の御子息でもある原田泰幸さんのお二人にお話を伺った
素人同然から始まった金属との出会い  
原田社長がこの世界に足を踏み入れるきっかけになったのは、アルバイトからである。元々は家業である電器会社を継ぐことになっていたのだが、親戚から金属の仕事を紹介され、そこで生まれて初めて金属に触れた。 「どんどん自分の思い通りにうまく作られていく、その度に自信につながりました。」そのことが、将来の仕事にしようと決心するまでになったのである。
混乱の時代から始まった事業  
株式会社 ミツワ製作所は昭和53年、オイルショック後の混乱期に創立された。創業して間もない頃は、経済的にかなり苦労したそうである。 「銀行に対しての信用もなく、唯一助けてくれたのは商工会さんだけでした。」と社長は言う。
会社の方向を見極め転換  
そんなミツワ製作所に転機が訪れた。それまで、ほとんどの仕事を孫受け状態で行っていたのだが、このままではだめだと思っていた社長に京都府の振興公社から商談会に行ってはどうかという提案があった。そこで、、3社に対して売り込みを行った結果、大手電池メーカー一社だけは、これまでの取引先メーカーの実績もあり、取引きできることになった。
機転とアイデアで信頼を得る  
社長のアイデアを形にするレーザー裁断機現在事業の中心となっている大手ポンプメーカーとの取引きが始まったのは、バブル崩壊後のことである。振興公社の誘いから先方の商品を見に行ってみたところ、「正直、時代遅れの他社商品にびっくりしました。そこで早速自社の製品を提案しました。それから取引していただけることに。」そして信頼を深めるきっかけとなったのは、展示会商品の製作依頼である。「上層部の方から直接、『展示会で発表するバキュームポンプを作ってくれないか』との依頼があったんです。その方は、この商品製作が失敗に終われば、首が飛ぶところまで追い込まれていました。」原田社長は厳しい納期にも関わらず、徹夜を覚悟で引き受けた。その商品は、当初渡された図面に沿って作るという手はずだったのだが、期日は迫るが一向に図面は来ず、このままでは間に合わないと感じた社長が、自らアイデアを出し製作。その結果、出来上がった商品から逆に図面化された。その機転と商品の質の良さが買われ、その後大きな信頼を勝ちとることになったのである。
今後は自社製品を増やしたい  
今後株式会社 ミツワ製作所には、メーカーとしての道と、下請けとしての道がある。 「メーカーとしては、自社製品をもっと増加させることが必要です。また下請けとしては、納期、品質、提案力のすべてにおいて高い水準のものが要求されると思います。『あそこに頼めば何とかなる』と思ってもらいたいですね。」 また、リサイクル事業を任されている原田取締役は、 「今後はすでに行き渡った新品よりも、メンテナンス関係に力をいれていきたい。」と抱負を語ってくれた。 商品のほとんどが原田社長のアイデアを社員全てが一丸となって開発する株式会社 ミツワ製作所は、どんな困難な依頼でも、お客さまが望むものであれば絶対に断らない、その原田社長の前向きな姿勢が会社を成功に導いていったといえるだろう。

このページのトップへ

 

 

Copyright (c) 2002-2011 京都府商工会連合会. All Rights Reserved.