山本氏にとって、スペシャルティコーヒーは知れば知るほど魅力的だった。一般的に飲まれるコーヒーとスペシャルティコーヒーには大きな違いが3つある。1つ目はお客様に出すコーヒー液自体が客観的に評価され、それで良いコーヒーか悪いコーヒーかが決まる。2つ目はトレーサアビリティー(履歴)が明確である事。いわゆる生産者や豆の収穫日などが記録されていて安全性が高いという事である。そして3つ目はサスナビリティー、「維持継続」である。おいしいものを継続的につくっていく為には生産者がより良いものをつくれる環境を維持しなければいけない。おいしいコーヒーができたら販売者はそれに見合った適正な価格をつける。いわゆるフェアトレードというものだが、それを続ける事で、さらにおいしいコーヒーが生まれるのだという。また山本氏は、世界中のコーヒー豆が審査される「カップ・オブ・エクセレンス」という大会で、800種類のうち10位以内に選ばれたスペシャルティコーヒーしか購入しないという強いこだわりがある。コーヒーの命と言われている焙煎作業も、焙煎機をパソコンで管理しているという徹底ぶりだ。「良い豆をさらにおいしく飲んでもらう」という揺るぎないこだわりを貫いている。