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サクセスリポート  

■株式会社 森忠建設造園
〒619-0243 精華町南稲八妻蔭山33番地
TEL.0774-94-4759 FAX.0774-98-3356
http://www.morityu.com

 2010年度「知恵の経営」実践モデル企業に認定。 入社当時から、「森忠建設造園」に様々な改革をもたらした森本真一郎氏が挑戦し続ける理由とは?
 
 
 相楽郡精華町に位置する「株式会社 森忠建設造園」は、一般家屋の造園・外構、大手企業の植栽管理、メンテナンス等、造園業から外構・エクステリア工事まで、建物周りを一貫してサポートしている企業だ。幅広い事業展開とともに、近年では業界内でもいち早く取り入れた3D-CADで施工完成図を描く。顧客の要望を立体的な図面で説明し、打合せをしながら瞬時に変更を加え完成図を仕上げている。
 同社のルーツは現・代表取締役である父・忠彦氏が昭和54年に起業した「森忠造園」である。時代のニーズと共に事業内容をシフトさせ、平成3年に現在の業態に落ち着き、その頃に社名も改めた。現在は後継者の専務 真一郎氏が経営全般に携っており、経営改革に取り組んでいる。そして平成22年には、精華町商工会の支援を受け「知恵の経営」実践モデル企業に認証され躍進を遂げている。
 父の背中を見て育った真一郎氏は、造園専門高校卒業後、宇治の造園業者で3年間で造園業を学んだ。退社してからは同社でアルバイトとして経験を重ね、平成8年に正式に入社。だがその当時、社の運営システムや、雇用・就業規則等に納得のいかなかった真一郎氏は、入社を機に、これらの仕組みを変える取組に着手したのである。

 
 まずは売上や入金がまたぐ事が多かった決算月を9月から5月へと変更する事から始めた。これにより、会社全体で取り組む先々の事業計画を立てる事ができるようになった。そして次に取り組んだのが、雇用形態の改革である。基本的に屋外作業が中心の造園・外構業界は、雨の日を休日にするために従業員の雇用状態が安定せず、収入も変動する事が多かった。そこで真一郎氏は休日を全てカレンダー通りにし、給料も日給から月給に変更した。先の取り組みで打ち出した事業計画を推進するためにも安定した労働力の確保が必要だった。これらの試みはやがて従業員たちの協力もあって序々に実を結び、会社全体のモチベーションアップに繋がるなどの良好な結果を生み出した。
 さらに従業員同士で互いに切磋琢磨しあい、会社一丸として成長するための努力も怠らない。まずは全員参加の朝礼を開始し、それぞれの現場を理解しあう為に報告や連絡をする事から始めた。また週替わりで司会進行をすることで、人前で話す練習の場としても活用している。その成果に真一郎氏は「うちの従業員は皆プレゼンテーションがうまい」と顔をほころばせる。また、従業員も様々なセミナーへの参加を積極的に促し、重要な話や資料は全員で共有するようにしている。日頃から多くのコミュニケーションをとる事で、良い会社の基盤づくりを行っているのである。従業員には、普段から誰にも負けないオンリーワンの技能を身に付け、とことん磨くように推奨している。従業員が互いに尊敬できるものを持ち合う事で、相手を認め互いに高めあうことができる。
 従業員には会社の経営状態についてもオープンに話すようにしている。経営について一緒に考える機会を設ける事で、この企業の一員であるという意識が芽生え、自然と強く育っていく。おいおい独立してゆける人材を育て、パートナーとして共に「森忠ブランド」を構築する事が真一郎氏の夢なのである。

 

 森忠建設造園では営業という形で飛び込んで仕事をとりにいく事は少なく、殆どを紹介受注で請け負っている。もちろん紹介受注を得る為には社長が長年かけて築いた信頼関係からの紹介もあるが、真一郎氏自らが仕事を受注する為に様々な努力をしている。まずは精華町商工会の青年部や、造園組合、青年会議所など地域の団体に積極的に参加し、多くの人と知り合えるチャンスを得ている。そこでは中小企業の経営者と多く知り合う事ができ、経営についての勉強にも役立てている。また、そこからの仕事を受注する為には、こちらから仕事をお願いしたり、専門分野の相談をしたり、ビジネス上の信頼関係を築く。するとすぐではないかもしれないが、次につながる仕事の紹介をもらう事ができ、良きビジネスパートナーとしての関係性が出来上がるという。
 顧客への即座の対応も紹介受注への秘訣である。仕事上で、完璧に仕事をこなす事は当然であるが、もし何か問題が生じた場合はすぐさまに対応へ向かう。ミスに対して素早くきめ細やかにフォローすることで顧客との距離がさらに縮まり、結果次の仕事に繋がっていくのだという。
 「お客様とは細く長いお付き合いが続けられる関係性を築けないと意味がない」この発言には、真一郎氏が顧客に対しどれだけ真剣に向き合っているかが現れている。

 真一郎氏にこの仕事のやりがいについて伺ってみた。「やはり、完成したモノが形として表に出てくる仕事であること。造園は、日常生活に必要不可欠というわけではなく、どちらかと云えば贅沢を提供する仕事であり景気に左右されやすい。しかし、出来上がりが目に見え、しっかりと形に残せる事が達成感になる」
 今後は、真一郎氏のモットーでもある「細く長いつきあい」を顧客はもちろん従業員とも築いていき、一日でも長いつきあいができるよう更に力を入れていきたいという。その為にも一人前になった従業員には、独立することを促している。独立した従業員は、ライバルになるどころか、協力しあう事で最大の味方になる。現在では2人の独立したパートナーがいるが、真一郎氏は森忠のチーム力を確立すべく邁進しているのである。
 最後に中小企業の経営者の皆様へ向けたメッセージを頂いた。「商工会では青年部に所属する事でできた仲間はもちろん、会社をさらに良くしようと色々な情報を提供してくれる経営支援員とも出会えた。商工会にせっかく加入しているのならば、もっと商工会という場を有効に活用してほしい」真一郎氏は力強く答えてくれた。 これからも真一郎氏の生まれながらの明るい性格と人柄が、更に素晴らしいパートナーを引きつけ、「森忠ブランド」を確立していくに違いない。


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