近鉄新田辺駅前キララ商店街の一角にある「カメラのトモミ堂」は、今年で創業40周年を迎える。カメラがまだ珍しい時代、アマチュアカメラマンであった先代が写真コンテストを通して招待作家に選ばれたことを機にオープン。
田辺のまちが大好きな先代は積極的に参加していた地域のボランティア活動を通じ、教員や父兄の信頼を受け、徐々に地域の学校の専属カメラマンとして呼ばれるようになって行った。まさに地域密着型の写真店である。
「自分を売り込みなさい」それはシャッターを切りはじめた田原氏が先代から常に言われていた言葉である。撮影を通じて相手に自分を知ってもらい心を開いてもらう事が最高のショットへと繋がるというその教えは、年を重ねるごとに撮影だけに限ったことではないと気づいたという。
先代同様、大好きなまちの地域活動に積極的に取り組んでいた田原氏は、商工会をはじめ、京都府写真材料商業組合、山城青年会議所など様々な活動に参加。持ち前のチャレンジ精神と熱意で役職を全うし、おのずと多くの人達に自分の人柄・魅力が伝わっていくことになる。「儲けという言葉はつい金銭を想像しがちですが、私は自分の人柄を知ってもらうことで得られる人脈や、ネットワークこそが儲けだと考えています。」これは何事に対しても通ずる田原氏のメッセージ。田原氏の人柄から生まれた信頼が、今のトモミ堂を支えているといっても過言ではない。