ユニバーサルホームサービスに入社する以前は、賃貸の会社に3年勤めたという橋本さん。売買の仕事に興味を持ち、現グループに入社してから3年は目立った成績も残せなかったという。転機は結婚を機に、マイホームを購入してから訪れた。
「自分がお客さんとして素性を伝えずに、不動産屋さんに声をかけるんですけど、物件を見た段階でこれはナシやなって思ってるんですよ。奥さんと二人で。でも営業マンは一生懸命なのに、これはないですって言えないじゃないですか。こっちは帰りたい。帰りたいけど、帰してくれへん。それで思わず出た言葉が、“検討します”だった」と橋本さん。
それまで同じ営業マンの立場で幾度となく聞いた言葉だったが、客となって初めてわかったことは、その言葉が出る時点でほとんどもう可能性はないということ。ならば、どのようにして次に繋げていくのか。その方法の一つとして思いついたのが「ダメな理由を聞いておいて、その一週間で見合う物件を探しておくので来週どうですか?という提案をする」というものだった。それまで散々言われ続けてきたことだったが、自身で体感して初めてその意味を知ることができたと話す。
「それまでお客さんの立場に立ってご提案をしてこなかったのがわかった瞬間でした。ただのモノ売りだったなって。本当にそのお客様が求めているものがわからないことには、提案のしようがないことも」と橋本さん。日当たりいいところ、駅近いところ、小学校近いところがいい…残念ながら100%は当て当てはまるものは難しい。だったら、なぜその条件を挙げられるのかその理由を聞いてみる。すると、意外に駅から近い必要はなかったなど、ヒアリングを重ねることで優先順位がだんだんとはっきりと見えてくる。本質がわかったら、あとは条件に見合った提案に繋げていく。こうした顧客目線のやり取りから、堅い信頼関係が育まれていくのである。