湯葉料理店・東山 ゆう豆が開業して数ヵ月。営業する中で客層やニーズが明らかになってきた。
「実際に営業して改めて分かったのは、場所柄、観光客、とりわけ外国人のお客様が想像以上に多いことでした。しかし豆腐に比べて湯葉は、外国の方にほとんど知られておらず、現在お客様のほとんどは日本人。外国人のお客様にも興味を持っていただき、暖簾をくぐっていただくために、まずは店前に英語表記のメニューを置こうと考えています。とはいえ“湯葉”を何と訳せばいいのか、翻訳から頭を悩ませているところです」。
お客様を呼び込む工夫と並行して、新しいメニュー作りにも力を注ぐ。目下考案中なのが、外国人に多い菜食主義者向けのメニューだ。
「大豆で作る湯葉の強みを最大限生かせるものと考えて、思いつきました。鰹節のような動物由来の出汁を口にするのも憚(はばか)る厳格なヴィーガンの方にも安心して食べていただける料理をお出ししたいと考えています。動物性の出汁を使わず、コクやうま味を引き出すのが難しいところ。料理長と知恵を絞っています」。
また、夏に販売した豆乳ソフトクリーム以外にも、観光客が行き来する立地を生かしたテイクアウトメニューを増やすことも考えているという。「日本人はもちろん、外国人にも湯葉のおいしさを知っていただき、湯葉の知名度を高めたい」という熱い思いが、太田さんの原動力だ。