2016年春を前に、今「ののはな草木染アカデミー」では、新たな受講生を迎え入れる準備が進んでいる。
「フリースタイル講座」では、受講生が実際に好きな生地を染めながら、新しい染色技法を学ぶ。毎回、違う植物を扱い、回を重ねるごとに難度の高い技法にも挑戦していく。
一方「インストラクター講座」では、単に染色を楽しむ「フリースタイル講座」とは異なり、染色に関する科学的な知識の学ぶことから始まり、染色を「教える」ための知識と技術を習得する。「インストラクター講座」を開設するにあたって、つぎ代さんがこれまで培ってきた知識やさまざまな染色技法についてまとめたテキストも制作した。「計4日間のプログラムで習得する初級講座から徐々にレベルアップし、上級講座では4ヵ月間、計8日間をかけて草木染の活用方法まで学びます。その後、最終課題をクリアすれば、当アカデミーのインストラクターとして認定します。多くの人に受講していただき、草木染のすばらしさを広げる仲間になってほしい」と期待を寄せる。
初めての植物の染色を試したり、新たな抽出法や染色技法を探求するなど、松本さん親子の探求心は、衰えるところを知らない。「例えば、藍。一般的な藍染めは、藍の葉を発酵させた後、煮出して色を抽出するとよく知られる深い群青色に染まります。それに加えて私たちが生の藍の葉を採取できる季節にだけ行うのが、生葉染めです。摘んだばかりの藍の葉をそのままミキサーで砕いて染めるこの方法では、驚くほど涼しげな水色に染まります。その他、染色技法や染める生地や糸によっても表現は無限にあります」と、松本さん親子は目を輝かせる。