「出店地域の検討に動き始めた当時、創業や経営、その支援に関する知識は全くと言ってよいほどありませんでした」と、田邊さん。すべて手探りで、何事に対しても確固たる自信は持てなかったと言う。「ここでならやっていける」と初めて思えたのは、情報収集のため京丹後市を訪れたときのことだ。その熱心な対応に、同市における人と人との距離の近さも強く実感することができた。
「さらに市の紹介で商工会の存在を知り、経営支援員という何でも相談できる存在を得ることができました。常に連絡を取り合い、こちらの動きを把握してくれていたので、ここぞという局面で的確なアドバイスをいただくことができました。この出会いがなければ、知識のないまま間違った選択をしてしまうこともあったかもしれません。今があるのは、商工会のバックアップがあったからこそだと感じています」
今もその関係は続いている。スタッフを補充して時間的な余裕ができれば、商工会の記帳指導サービスを活用し、日々の経理業務や財務管理について一から指導を受ける予定だ。
自分の店を持つという第一の夢は叶った。次に目指すのは、「地域で一番に名が挙がる店になること」だ。新たな夢の実現に向けた道のりは、まだ始まったばかり。そのための強固な礎が、有紗さん、そして商工会との二人三脚により、着実に築かれつつある。