ビジネストレンド京都
サイト検索
         
 
サクセスリポート  
株式会社 ミツワ製作所 原田社長
  第9回
21世紀に生き残るために

ヘッドハンティングされ、移った会社の事業部が一年後に閉鎖。しかし、それが逆に今の会社をつくる引き金になった。 現在は、安田農産の社長業を務める一方で、アドバイザーとしても活躍している安田社長。 加悦町から全国に発信しているその現場をのぞいてみた。
素人同然から始まった金属との出会い  
「『生産者の声を伝えること』が一番の役目だと思っています。」 と真剣な表情で話す安田社長からは食に対する熱い思いが感じられた。

京都の北の端、加悦町にある有限会社 安田農産。安田社長の食に対する興味は元々勤めていた食品メーカーから始まっている。そこに勤めていたある時、無添加の食品などを扱う会社にヘッドハンティングされた。しかし入社後一年で事業部が会社の都合により閉鎖してしまう。安田社長はその会社の仕事を受け継ぐ形で今の安田農産の原型となる会社を設立する事になった。

まず初めは、受け継いだ全国に約80 件あった契約農家の野菜を流通させることからだった。設立当初は、従業員もなくたった一人だったが、生産者や取引先からの応援の言葉もあり、苦労だと感じたことはないという。
混乱の時代から始まった事業  
現在、安田農産は主に米、京野菜、お総菜などの流通、加工を行っている。 今年から、『京の豆っこ』を使って作られた米や野菜の販売を始めた。これは、おからに有効成分の高い米ぬかと魚粗を加え、100%天然素材で発酵させた肥料のことで、本格的な循環型農業である。現在、この『京の豆っこ』を使って作られた米や野菜を『京都丹後豆っこ野菜』として全国のこだわりのスーパーや百貨店約50店舗で販売し、好評を得ている。
安田社長は、この商品が丹後発の農業を変える良いきっかけになってくれるのではないかと考え、今後も販売範囲を広げていく予定である。 またお総菜部門では、主にお正月のおせち料理を扱っており、全国の百貨店やスーパーに出荷している。 これらのお総菜は、添加物を一切使用せず、味、安全性は保証付きで、各地で好評を得ている。
安田社長は、 「わたしは『無添加の商品でないといけない』というのではないが、安心で、安全な食品を追求すると、結局、無添加が一番いいということになる。実際、生産者も消費者であることに変わりはない。作る側もあくまでおいしくて、できる限り安全で安価な物を提供したいという思いでやってほしい。」
会社の方向を見極め転換  
安田社長は自社のことを「産地商社」だといい、自分の役割は「生産者の声を伝えること」だという。その意思は強く、契約する農家の基準には、食に対する思いが自分とほぼ同じでないと契約しないというほどの徹底ぶりだ。
安田社長が持つ倉庫は事務所の横にある倉庫のみで、全国に送り出す商品はほとんどが農家から直送され、大きな倉庫を持たずともやっていけるという。それだけに信頼できる生産者との契約がより重要となっているのであろう。
機転とアイデアで信頼を得る  
今や、全国に契約農家を約200件持つ有限会社 安田農産。安田社長は、 「農業は公共性のあるものです。人の命に関わる仕事をしているという事を常に肝に命じて置くということが大事なんです。」 常に気にかけることは『消費者に喜ばれる商品を送り出すこと』である。
現在は、新規に社員を雇用することを検討している。面接時には、自身の考えたをまとめた紙面を読んでもらい、まずは食に対するその人の考えを聞くという。食を扱う者の一人としての自覚を持った社員を求め、日々面接中である。
機転とアイデアで信頼を得る  
安田社長は、自らの食に対する考え方を、関係団体をはじめ、各地の商工会などの講演会で発表している。
また、新たな分野もどんどん開拓していく方針で、農家にも情報を伝えていき、地域の発展に繋がっていけばと考えている。
今後も安田社長、安田農産共に様々な場面での活躍が期待される。

このページのトップへ

 

 

Copyright (c) 2002-2011 京都府商工会連合会. All Rights Reserved.