さらに数年前より新たに事業を広げつつあるのが、マンションや公共施設などの管理業だ。マンションの外構や公園などの除草や植木の剪定、消毒、肥料やりなどを請け負う。それにあたって木津川市地域で福井さんと同様の小規模造園業者を集め、「職人集団」を率いている。
高い技術を持っていても、個人や少人数の事業者では大きな仕事を引き受けることができません。それを可能にしたいと考えついたのが、この仕組みです」と福井さん。
造園業に関わりながら、それぞれに専門性や得意分野を持った職人たちを組織した。受注内容に応じて最適な職人を集めることで、より高い品質を提供できる。また公園などの広範囲に及ぶ除草作業でも、人数を確保することで短期間で完了できるなど、技術力に加えてスピードとコストメリットも強みになっている。
一方、職人たちにとっても協力し合うメリットは大きい。繁忙期と閑散期の波が大きい造園業で、こうした事業に参画することが収益の安定化につながるからだ。
「これまでも人手が足りない時には互いに手伝いに赴くなど、助け合ってきました。こうした同業者同士の“絆”を大切にしながら事業を大きくできたらと考えています」と福井さん。
ふくふく庭の活躍が、地域の造園業の活性化にも一役買っている。