寝具専門店だからこそできる商品・サービスを提案したい。
1人ひとりに合わせて中材の配合も調整個人に合わせて作るオーダーメイド枕
身体にフィットするオーダーメイド枕を販売
「やぎくま」は、1889(明治22)年に南丹市(旧八木町)で創業してから、136年を数える。初代は呉服店を営んでいたが、戦後に寝具店に事業を転換し、以来、寝具の専門店として地域に愛され続けている。 睡眠に関わる幅広い商品を揃えているが、中でも強みとしているのが、オーダーメイド枕・敷布団だ。大手寝具メーカーと提携し、一人ひとりの身体にフィットした枕・敷布団を作るシステムを20年前から導入している。「まずカウンセリングを行った上で、専用の測定器で仰向き・横向きの身体のラインを測定し、専用のソフトウェアで、頭を支え、寝姿勢をバランスよくキープする枕の形状を導き出します。枕の内部に入れる中材も、お客さまのお好みに応じて硬さや素材の異なる5種類からお選びいただき、お客さまの身体にピッタリ合った枕をお作りします」と八木さんは説明する。
一人ひとりの話を聞き最適な商品を提案
販売において、とりわけ八木さんが大切にしているのが、顧客一人ひとりの話を丁寧に聞き取ることだ。 「当店では、『眠りと布団の相談室』を掲げ、来店されたすべてのお客さまに必ずお話をうかがう時間を設け、睡眠や身体のお悩みやご要望をじっくり伺い、最適な商品を提案しています。商品をお勧めする際も、科学的な裏付けに基づいて説明することを心がけています。それが寝具の専門店である私たちの役割だと考えています」と言う。 また同店では、量販店では取扱いの少ない自然素材についても、ブランド、価格帯など様々なバリエーションを取り揃えている。「地域にはさまざまなお客さまがいらっしゃいます。お客さまのどのようなご要望にも応えられるようにと考えています」と八木さん。こうした寝具専門店ならではの商品・サービスが、購入者の満足感や信頼を高め、リピーターや新規顧客の増加につながっている。
商工会のサポートが売上拡大・意欲の好循環に
「ただ店で待っていても、お客さまは来てくださいません。関心を持っていただくために、PRし続けることが重要だと考えています」と八木さん。SNSやホームページを使ったPRの他、DMやチラシ広告などの広報にも力を注いでいる。 しかし一商店の限られた予算の中で、大規模な広告展開は難しい。そこで他地域の同業店に声をかけ、共同でチラシを制作する仕組みを作った。八木さん自らデザイン・レイアウトを作成し、年2回、チラシ広告を打ち出している。 現状に留まることなく、時代に合わせ、常に新しいことに積極的に挑戦してきたからこそ、100年以上もの歴史を重ねた現在がある。そうした「やぎくま」に寄り添い、挑戦を支えているのが、南丹市商工会だ。 「補助金や経営セミナーの開催など当店にとって有益な情報を紹介してくださいます。本業で忙しく、なかなか他のことに手が回らない中で、申請書の作成もサポートしていただき、非常に助かっています」 商工会のサポートもあり、「京都老舗の会」から「京の老舗」の認定を受けた。「アドバイスをいただくと、私自身勉強になるし、それを取り入れて売上拡大につながれば、頑張る元気や意欲が湧いてきます。その好循環を作る上でも、商工会は心強い存在です」と語る。今後も地域に根差し、150年、200年と続く店を目指していく。
寝具専門店ならではの知識と提案力が強み
やぎくまは、1889(明治22)年、呉服店を創業したことに始まる。以来、いつの時代も変化を恐れず、新しいことに果敢に挑戦してきた。 いち早くオーダーメイドの寝具に着目したのは、25年近く前のことだ。 「小売業においても、従来の『モノ』売りから『コト』売りが重視されるようになってきた頃です。仕入先の大手寝具メーカーから、オーダーメイド枕の製造・販売システムを構築するから導入しないかと提案され、提携を決心しました」 専用の測定器とソフトウェアを導入するとともに、八木さん自らメーカーが主催する研修に参加し、正しく測定する技術をマスターした。 しかし当初は、京都府下にもオーダーメイドで枕を作れる店はほとんどなく、知名度の低さから、なかなか販売に結びつかなかった。 「近年、健康意識の高まりの中で、睡眠の重要性が広く認識されるようになり、徐々にオーダーメイド枕を求めて来店されるお客さまが増えていきました」と言う。 最近は、オーダーメイドの寝具を扱う販売店も増えており、競合店は少なくない。その中でもやぎくまの顧客が絶えないのは、寝具専門店だからこそできる提案力にある。 八木さんは、顧客一人ひとりに対し、科学的な裏付けや深い知識に基づいて丁寧に説明するだけでなく、健康や睡眠についての的確なアドバイスを行っている。そのために日本睡眠改善協議会が認定する「睡眠改善インストラクター」資格を取得。毎年、研修を受けて認定資格を更新し続けるなど、新しい情報の収集も怠らない。
品質のこだわったオリジナル寝具を開発
また同業の仲間と連携し、オリジナル寝具の製造・販売も行っている。その一つが、乳児用ふとんだ。 「特にこだわっているのは、ふとんの素材です。赤ちゃんの敏感な肌にも優しい綿を使用。通気性・吸水性が高く、赤ちゃんが汗をかいても、蒸れずに心地よさを保つふとんを実現しました」 その他、羽毛を惜しみなく使用した羽毛ふとんなど、徹底して品質にこだわった商品づくりを心がけている。 「お客さまに、本当に質の高い商品を提供したい。そのために科学的根拠を明らかにし、嘘のない商品を提供しています」
レジポイントカードシステムを導入し顧客満足の向上と経営効率化を実現
新しいことにも意欲的に取り組んでいる。その一つとして、南丹市商工会の支援を受けながら、補助金を活用し、レジポイントカードシステムを導入し、顧客サービスの充実と事業基盤の強化に取り組んだ。 「会員になっていただいたお客様に会員カードを発行し、お客様が商品やサービスをお買い上げになるたびに、金額に応じてカードにポイントが付与される仕組みです。お客様の購買意欲やリピート利用を促進できるだけでなく、非常に便利なのが、顧客管理機能として活用できる点です。購買履歴やポイント付与などのデータを一元管理することにより、お客様のニーズや購買傾向をより正確に把握し、お客様一人ひとりに最適なサービスを提供できるようになります」とメリットを語る。 南丹市商工会からの助言とシステムを活用し、顧客満足と経営の効率化の両方を実現。顧客と長期的な関係を築き、地域に密着した質の高いサービスを提供することが、世代を超えて愛され続ける店づくりにつながっている。







